1. 小田原城と石垣山一夜城 ― このコースの背景
豊臣秀吉の「小田原征伐」をテーマに、天下統一の決定打となった2つの城郭を巡る日帰りドライブ。山上に突如現れた巨大要塞「石垣山一夜城」から秀吉の圧倒的スケール感を体感し、その後、北条氏の関東覇権の象徴「小田原城」へ。歴史の転換点を車でドラマチックに追体験します。
石垣山一夜城:1590年、秀吉が北条氏に見えないよう山林の中に城を築き、完成時に木を伐採して「一晩で城が出現した」ように見せかけて士気を挫いた伝説の城。関東で最初に作られた総石垣の城とされる。
小田原城:北条5代(早雲〜氏直)の拠点で、上杉謙信や武田信玄の攻撃もしりぞけた「難攻不落」の城。
難易度・対象:初心者向け/歴史好き・ドライブ好き 所要時間目安:約7〜8時間(都内発着)
もう少し詳しく ― この土地で何があったか
五代百年、関東を治めた北条氏の本拠
小田原城が歴史の表舞台に出るのは、伊勢宗瑞(北条早雲)が大森氏からこの地を奪ってからです。以後、氏綱・氏康・氏政・氏直と五代およそ百年にわたり、後北条氏はここを本拠として関東一円に勢力を広げました。
「難攻不落」の評判は伊達ではありません。永禄四年(1561)には上杉謙信が十万ともいわれる大軍で、永禄十二年(1569)には武田信玄が城下に迫りましたが、いずれも城を落とすことはできませんでした。氏康の代に城と城下町を一体で守る構想が生まれ、豊臣との対決が避けられなくなると、城下町を丸ごと堀と土塁で囲む「総構(そうがまえ)」が築かれます。その全長は約九キロメートル。当時の日本で最大級の城郭都市でした。
秀吉が山上に築いた、もうひとつの城
天正十八年(1590)、豊臣秀吉は二十万を超える大軍で小田原を包囲します。このとき秀吉が笠懸山の上に築いたのが石垣山城でした。関東では初めてとなる本格的な総石垣の城で、穴太衆と呼ばれる近江の石工が動員されたと伝わります。
秀吉はここに淀殿や千利休を呼び寄せ、茶会や能を催しました。長期戦を覚悟した籠城側に「相手はここで遊んでいる」と見せつける、これも戦術のうちだったのでしょう。伊達政宗が遅参を詫びて秀吉に謁見したのも、この山の上だったと伝えられます。
「一夜城」の名は、完成後に城の前面の木々を一気に伐り払い、小田原方から見て一夜にして城が現れたように見せた、という伝承に由来します。実際の築城には八十日ほどを要したとされ、一晩で建ったわけではありません。それでも、朝起きたら山の上に白い城が見えた——という衝撃は、籠城する側の心を確実に折ったはずです。約三か月の籠城のすえ、北条氏直は降伏し、五代続いた関東の王国は幕を閉じました。
2. 石垣山一夜城歴史公園・小田原城址公園をめぐる車日帰りコース
| 時刻 | スポット・行程 | 見どころ・メモ |
|---|---|---|
| 08:30 | 出発:都内(首都高〜小田原厚木道路経由) | |
| 10:00 | 石垣山一夜城歴史公園 | 見どころ:豊臣秀吉が小田原攻めの本陣とした城。関東で最初期の総石垣の城で、天守台から相模湾と小田原城下を一望できます アクセス:小田原市早川1383-12/西湘バイパス「小田原IC」から約2.9km 料金:見学自由・無料 駐車場:58台・無料。トイレあり(小田原市観光協会) ※路線バスは走っていません(観光シーズンの土日のみ観光回遊バス)。車で行くのが前提の場所です |
| 11:30 | ランチ:早川港(小田原漁港)周辺 | グルメ:港直送のアジフライや海鮮丼。12時前に入ると混雑を避けられます。 |
| 13:00 | 小田原城址公園・天守閣![]() |
見どころ:復元天守閣、常盤木門SAMURAI館、小田原城NINJA館、復元された銅門(あかがねもん)・馬出門 入館料(2026年3月1日改定):天守閣 大人1,000円・小中学生300円。この券でSAMURAI館にも入れます。NINJA館は大人500円・小中200円。未就学児無料 開館 9:00〜17:00(天守閣・NINJA館の入館は16:30、SAMURAI館は16:45まで) 休館:12月31日〜1月1日。天守閣は12月第2水曜も休館 駐車場:城址公園に一般車の専用駐車場はありません(小田原市公式)。周辺の有料駐車場を利用 |
| 14:45 | 小田原城 惣構(そうがまえ)遺構・蓮上院土塁・早川口遺構 | 見どころ:北条氏が城下町ごと(周囲約9km)囲い込んだ最終防衛線。いずれも国指定史跡で見学は自由・無料 ・蓮上院土塁(小田原市浜町2-1-51)― 昭和20年の小田原空襲で落ちた爆弾の痕が残ります ・早川口遺構(小田原市南町4-4)― 土塁と堀を二重にした「二重外張」 ・小峯御鐘ノ台大堀切(城山3-30)― 幅20〜30m・深さ約12mで空堀としては全国最大規模 |
| 16:00 | お土産・お立ち寄り:かまぼこ通り または 道の駅「箱根峠」方面 | |
| 17:00 | 帰路:小田原西IC/荻窪ICから都内へ(18:30〜19:00到着) |
3. 駐車場とトイレ ― 小田原城には一般車の駐車場がありません
車で行く方が最初に知っておくべきことです。小田原城址公園には、一般車が停められる専用駐車場がありません。小田原市の公式ページにも明記されています。周辺の有料駐車場を使う前提で計画してください。
その一方で、石垣山一夜城には58台の無料駐車場があり、トイレもあります。しかも路線バスが走っていないので、ここは車以外では行きにくい場所です。車で行く人にとっては、このコースでいちばん楽な場所になります。
| 場所 | 駐車場 | メモ |
|---|---|---|
| 石垣山一夜城 | 58台・無料 | トイレあり。山道はカーブが続くので安全運転で |
| 小田原城址公園 | 一般車の専用駐車場なし | 周辺の有料駐車場へ。2〜3時間は見ておく |
| 総構の遺構 | 専用駐車場なし | 住宅地の中。設備は何もありません |
| 早川港(小田原漁港) | 周辺の駐車場 | 昼どきは混みます。12時前が狙い目 |
4. 入場料 ― 2026年3月に改定されました
小田原城の入館料は2026年3月1日に改定されています。天守閣が大人1,000円になり、かわりにこの券で常盤木門SAMURAI館にも入れるようになりました。古い情報のままだと予算が合いません。
| スポット | 大人 | 時間・休み |
|---|---|---|
| 石垣山一夜城 | 無料 | 見学自由 |
| 小田原城 天守閣 | 1,000円(小中300円) SAMURAI館込み |
9:00〜17:00(入館16:30まで)/12月31日〜1月1日休、天守閣は12月第2水曜も休館 |
| 小田原城NINJA館(任意) | 500円(小中200円) | 同上 |
| 総構の遺構 | 無料 | 屋外・見学自由 |
5. 概算費用(大人2名・普通車1台の目安)
| 項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 高速道路料金(往復) | 約4,000〜6,000円 | 小田原厚木道路経由。ETC割引で変わります |
| ガソリン代 | 約2,500〜3,500円 | 往復でおおむね160〜180km |
| 駐車場代 | 約1,000〜1,500円 | 石垣山は無料 |
| 入場料 | 2名で2,000円 | 天守閣1,000円×2 |
| ランチ・おみやげ | 2名で4,000〜8,000円 | アジフライ、海鮮丼、かまぼこ |
| 合計 | 2名で約13,500〜21,000円 | 高速の使い方で幅が出ます |
このコースを実際に組むなら
宿と車は、土日と連休の1か月前には埋まります。行く日が決まったら、先に押さえてください。
神奈川の宿を探す
車を借りる
横浜駅・小田原駅で借りると、そのまま行程に入れます。
駐車場を先に押さえる
観光地の周辺は、コインパーキングが満車になると行程が崩れます。1日分を予約しておくと時間の読みが立ちます。
※ 当サイトはアフィリエイトプログラムに参加しています。料金・空室状況は各予約サイトでご確認ください。
このコースの城の御城印について
このコースに登場する小田原城は、御城印の頒布情報を自治体や施設の公式サイトで確認できました。
頒布場所と料金は御城印はどこで買える? 公式で確認できた頒布情報まとめに一覧でまとめています。頒布場所や料金は変わることがあるので、お出かけ前に公式サイトでご確認ください。
トイレ。石垣山一夜城、小田原城址公園、小田原駅、早川港が基点になります。総構の遺構は住宅地の中で設備が何もありません。城か駅で済ませてから向かってください。
・ご利用案内(小田原城)/入館料改定のお知らせ
・石垣山一夜城(小田原市観光協会)/総構の遺構(小田原市)
6. ドライブ攻略 ― ルートとグルメ
主な利用IC:小田原厚木道路「荻窪IC」または「小田原西IC」
ドライブのアドバイス:一夜城へ向かう山道はやや細いカーブがあるため安全運転で。早川港のランチは12時前に入ると混雑を避けられます。
この旅の道のり
- 10:00石垣山一夜城歴史公園着・見学約60分早川港周辺
- 13:00小田原城址公園・天守閣見学約90分
- 14:45小田原城 惣構(そうがまえ)遺構・蓮上院土塁・早川口遺構見学約45分車で移動
※モデルコースとしての目安です。時刻・所要時間は交通状況や混み具合で変わります。
当サイトでは、運営者が実際に足を運んで撮影・取材した記録を「実録 歴史旅」として公開しています。


