1. 江戸150万人の命を救った奇跡の談判 ― このコースの背景
1868年、鳥羽・伏見の戦いに始まった戊辰戦争において、江戸を戦火から救った「江戸城無血開城」。幕臣・勝海舟と新政府軍参謀・西郷隆盛が命がけで交わした歴史的談判の舞台を巡るドライブです。芝・高輪から勝海舟の晩年の地、そして開城の舞台となったスポットを巡り、日本の近代化を決した決断の足跡を辿ります。
江戸城無血開城の偉業:新政府軍による3月15日の江戸城総攻撃直前、勝海舟と西郷隆盛の会談により攻撃が中止された。これにより江戸150万人の市民の命と街が壊滅から免れた。
天障院篤姫と皇女和宮の尽力:大奥のトップであった篤姫(13代家定正室)と和宮(14代家茂正室・皇室出身)が、徳川家の存続と江戸の平和のために新政府側へ救命の嘆願書を送るなど、陰の立て役者として大きな役割を果たした。
難易度・対象:初心者向け/幕末ファン・都心歴史ドライブ・偉人探訪 所要時間目安:約5〜6時間(都内発着)
もう少し詳しく ― この土地で何があったか
三月十四日、田町の会談
慶応四年(1868)、鳥羽伏見の戦いに勝った新政府軍は東征を開始し、江戸城総攻撃を三月十五日と定めました。百万を超える人が暮らす都市が、戦場になろうとしていたのです。
これを回避したのが、幕府側の勝海舟と新政府軍参謀西郷隆盛の会談でした。三月十三日・十四日の二日にわたって行われ、決着がついたのが十四日、薩摩藩邸(現在の田町付近)でのやりとりです。
勝は、交渉が決裂した場合には江戸を焼き払う焦土作戦の準備まで進めていたといわれます。一方の西郷も、内戦の長期化が外国の介入を招く危険を理解していました。互いに最悪の未来が見えていたからこそ、話がまとまったともいえます。翌十五日の総攻撃は中止され、四月十一日、江戸城は無血のうちに明け渡されました。
大奥からの、もうひとつの働きかけ
この決着を支えたのは、勝と西郷だけではありません。天璋院篤姫——十三代将軍家定の正室で薩摩島津家の出身——と、皇女和宮——十四代将軍家茂の正室で孝明天皇の妹——という、大奥のふたりの女性の存在が大きく働きました。
篤姫は生家である薩摩に、和宮は朝廷に、それぞれ徳川家の存続を求める嘆願を送っています。敵方に最も近い縁を持つ二人が、その縁を使って徳川を救おうとしたのです。政治史の表舞台には出にくい動きですが、江戸を救った要因のひとつとして忘れるべきではありません。
江戸城跡(皇居東御苑)や田町の会談跡の碑を歩くと、この巨大な都市が焼けずに済んだ経緯が、地図の上でつながって見えてきます。
2. 勝海舟・高輪大木戸跡・勝海舟邸跡をめぐる車日帰りコース
| 時刻 | スポット・行程 | 見どころ・メモ |
|---|---|---|
| 09:30 | 出発:都内(首都高〜芝公園出入口経由) | |
| 10:00 | 勝海舟・西郷隆盛会見の地(港区芝) | 見どころ:薩摩藩江戸上屋敷跡。慶応4年3月、江戸総攻撃を回避するための会見が行われた地の記念碑 料金:屋外の碑・見学自由・無料(時間の制約なし) 駐車場:周辺の有料コインパーキング |
| 10:45 | 高輪大木戸跡・泉岳寺![]() |
見どころ:江戸の南の玄関口「高輪大木戸跡」(国指定史跡)と、赤穂浪士の墓所で幕末の志士も詣でた泉岳寺 アクセス:泉岳寺=東京都港区高輪2-11-1/都営浅草線「泉岳寺」駅A2出口から徒歩約1分 料金:高輪大木戸跡も泉岳寺の境内も無料 開門:4月〜9月 7:00〜18:00/10月〜3月 7:00〜17:00 赤穂義士記念館:9:00〜16:00(拝観料は公式サイトでご確認ください)。2月〜8月の毎月最終水曜は休館 ★駐車場もトイレもあります。 |
| 12:00 | ランチ:芝公園・麻布十番周辺 | グルメ:老舗の江戸前うなぎ、そば、または麻布十番の伝統的な和食ランチ。 |
| 13:15 | 勝海舟邸跡(赤坂・氷川神社周辺) | 見どころ:勝海舟が暮らし、坂本龍馬も訪ねた赤坂の地。勝海舟邸跡の碑と、赤坂氷川神社 料金:碑の見学も神社の参拝も無料 駐車場:赤坂氷川神社に参拝者用(台数限定)。周辺のコインパーキングも ※「勝海舟記念館」は大田区(洗足池)にある別の施設です。赤坂にあるのは邸跡の碑ですのでお間違えなく |
| 14:30 | 増上寺・徳川将軍家墓所![]() |
見どころ:徳川家の菩提寺。十四代家茂と正室・和宮が眠る墓所と、国の重要文化財である三解脱門 アクセス:都営三田線「御成門」「芝公園」駅すぐ ★徳川将軍家墓所:平日 11:00〜15:00(最終入場14:45)/土日祝 10:00〜16:00(最終入場15:45)。火曜休(火曜が祝日なら公開) 拝観料:大人500円・高校生以下無料。大殿地下の宝物展示室(一般700円)とのセット券は1,000円 ※この工程表は14時30分着。平日だと最終入場まで15分しかありません |
| 15:45 | 立ち寄り:東京タワー周辺ドライブ(芝公園の景色を満喫) | |
| 16:30 | 終了:都内各所へ(17:00頃帰着) |
3. 平日に行くなら、増上寺を先に回してください
このコースには、時間の落とし穴がひとつあります。
増上寺の徳川将軍家墓所は、平日は11時から15時までしか開いておらず、最終入場は14時45分です。(土日祝は10時〜16時、最終入場15時45分。火曜は休み)
この工程表では14時30分に増上寺へ着きます。平日だと、最終入場まで15分。道が混めばそれで終わりです。14代家茂と和宮の眠る墓所は、このコースの締めくくりにあたる場所ですから、ここで入れないのは惜しい。
平日に行くなら、増上寺を午前に持ってきて、勝海舟邸跡を午後に回すほうが確実です。土日祝ならこの順番のままで大丈夫です。
4. 費用 ― 有料なのは増上寺の墓所だけ
| スポット | 大人 | 時間・休み |
|---|---|---|
| 勝海舟・西郷隆盛会見の地 | 無料 | 屋外の碑。時間の制約なし |
| 高輪大木戸跡・泉岳寺 | 無料 | 泉岳寺は4〜9月 7:00〜18:00/10〜3月 7:00〜17:00 |
| 勝海舟邸跡・赤坂氷川神社 | 無料 | 屋外・参拝自由 |
| 増上寺 徳川将軍家墓所 | 500円 高校生以下無料 |
平日 11:00〜15:00(最終入場14:45)/土日祝 10:00〜16:00。火曜休 |
| 増上寺 宝物展示室(任意) | 700円 墓所とのセット券1,000円 |
別々に買うと1,200円。200円お得です |
境内、三解脱門、大殿から見上げる東京タワーは、すべて無料で見られます。
5. 駐車場とトイレ、概算費用
正直なところ、このコースは車で回る必要がほとんどありません。芝・高輪・赤坂はいずれも地下鉄の駅がすぐそばで、都心の駐車場代は電車賃よりずっと高くつきます。車で行くなら、増上寺周辺に一台置いて、あとは地下鉄で移動するほうが安く早く回れます。
トイレ。泉岳寺の境内、増上寺の境内、芝公園、赤坂氷川神社、各駅の施設が基点になります。都心なので困る場面はありません。
| 項目 | 目安(大人2名・普通車1台) | 備考 |
|---|---|---|
| 首都高料金(往復) | 約1,500〜2,500円 | 都内発着 |
| ガソリン代 | 約500〜1,000円 | 走行距離は短めです |
| 駐車場代 | 約3,000〜6,000円 | 最大の出費。4か所で停め直すとさらに増えます |
| 拝観料 | 2名で1,000〜2,000円 | 墓所500円×2。セット券なら1,000円×2 |
| ランチ | 2名で4,000〜10,000円 | 江戸前うなぎは上振れします |
| 合計 | 2名で約10,000〜21,500円 | 電車に切り替えると大きく下がります |
このコースを実際に組むなら
宿と車は、土日と連休の1か月前には埋まります。行く日が決まったら、先に押さえてください。
東京の宿を探す
車を借りる
東京駅・品川駅で借りると、そのまま行程に入れます。
駐車場を先に押さえる
観光地の周辺は、コインパーキングが満車になると行程が崩れます。1日分を予約しておくと時間の読みが立ちます。
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現地の写真(運営者が実際に歩いて撮影したものです)












・徳川将軍家墓所(大本山 増上寺)/増上寺宝物展示室
・萬松山 泉岳寺
6. 芝・赤坂の歩き方 ― グルメと寄り道
主な利用IC:首都高速都心環状線「芝公園出入口」「飯倉出入口」
ドライブのアドバイス:第一京浜(国道15号)や外堀通り沿いのスポットをスムーズに巡ることができます。平日はビジネス街のパーキングが混雑するため、休日ドライブに特に適したコースです。
この旅の道のり
- 10:00勝海舟・西郷隆盛会見の地見学約30分
- 10:45高輪大木戸跡・泉岳寺見学約60分芝公園・麻布十番周辺
- 13:15勝海舟邸跡見学約45分
- 14:30増上寺・徳川将軍家墓所見学約60分
- 15:45東京タワー周辺ドライブ車で移動
※モデルコースとしての目安です。時刻・所要時間は交通状況や混み具合で変わります。
現地で撮影した写真と、説明板から起こした記録はこちらです。

