これは、運営者が実際に歩いた記録です。2026年9月26日、都内から車で横須賀へ。目当ては、幕末に横須賀製鉄所(のちの横須賀造船所)をつくった小栗上野介忠順のゆかりの地です。小雨のヴェルニー公園で小栗とヴェルニーの胸像に会い、YOKOSUKA軍港めぐりで船から港を眺め、帰りに東京・駿河台の小栗上野介生誕の地へ寄りました。2027年の大河ドラマ『逆賊の幕臣』の主人公をたどる、日帰りの小さな旅です。
この旅の行程
| 時刻 | スポット・行程 | 見どころ・メモ |
|---|---|---|
| 移動:都内から車で約1時間(首都高・横浜横須賀道路) | ||
| 12:55 | ヴェルニー公園 | ★入園無料・24時間。園内のティボディエ邸・ヴェルニー記念館もどこも無料で入れました。海沿いに細長く、端から端まで歩くと意外に距離があります。 ★トイレ:公園内に2か所ほどあります。 ★駐車場:今回は公園に隣接したコインパーキングに停めました。4〜5台分しかないので、休日は埋まっていることも。そのときは隣のコースカ ベイサイド ストアーズの駐車場へ(軍港めぐりの乗船券の購入額に応じて駐車券のサービスあり)。 |
| 移動:園内を徒歩 | ||
| 13:00 | よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸 | ★入館無料、9:00〜17:00。横須賀製鉄所の副首長の官舎だった西洋館を復元したもの。 |
| 13:08 | 小栗上野介とヴェルニーの胸像、権田村の記念石 | ★この旅でいちばん見てほしい場所。胸像の足もとの植え込みに、小栗が斬られた群馬・権田村の石が置かれています。 |
| 13:10 | 逸見波止場衛門・戦艦「陸奥」の主砲 | ★旧軍港の衛兵詰所と、横須賀で造られた戦艦陸奥の主砲。 |
| 13:13 | ヴェルニー記念館 | ★入館無料、9:00〜16:00(1月1・2日と不定休)。製鉄所で使われたスチームハンマー(国の重要文化財)と、小栗・ヴェルニーの展示。 |
| 移動:公園の中を歩いて汐入ターミナルへ | ||
| 13:50 | YOKOSUKA軍港めぐり | ★約45分。10:00〜16:00の毎正時に出航。この日は大人2,200円(税込)でした(日によって2,000〜2,500円と変わります)。 ★乗船の列は早めに。「5分前までにお並びください」と案内されますが、実際は20分前にはもう列ができていました。 |
| 移動:車で約1時間(夕方の都心方面は混みやすい) | ||
| 16:40 | 小栗上野介生誕の地 | ★JR御茶ノ水駅(御茶ノ水橋口)から徒歩約3分。専用の駐車場はありません。今回は、すぐ近くの道路脇にある枠線の駐車スペース(パーキングメーター)に停めました。料金は1時間300円ほど(停める前にメーターの表示を確認してください)。短い見学ならこれで十分です。 ★ビルの角に案内板が1枚あるだけ。見落としやすいので、住所を地図アプリに入れてから向かうのがおすすめです。 |
横須賀・ヴェルニー公園
小雨のヴェルニー公園 ― 思ったより広い
横須賀に着いたのはお昼すぎ。空は低く、小雨がぱらつく天気でした。ヴェルニー公園は横須賀本港に沿って細長く延びる公園で、対岸には海上自衛隊の護衛艦や米海軍の艦艇が並んでいます。
公園の東側には「横須賀海軍の碑」や「軍艦長門碑」などの碑が集まり、西へ向かってティボディエ邸、胸像、衛門、主砲、記念館と見どころが続きます。地図で見ると小さく見えますが、実際に端から端まで歩くとかなりの距離です。雨で蒸していたこともあり、少し汗ばみながら歩きました。
ティボディエ邸と、製鉄所の解説板
最初に入ったのは、白い下見板張りの洋館ティボディエ邸です。横須賀製鉄所の副首長だったフランス人ティボディエの官舎で、明治初めの建物の部材を生かして公園内に復元されています。中では製鉄所の歩みが年表で紹介され、暖炉のある部屋も再現されていました。
海沿いの手すりには、製鉄所やドライドックの解説板が並んでいます。目の前の港そのものが、小栗が幕府に進言して1865年(慶応元年)に建設が始まった横須賀製鉄所の跡で、いまも使われているドックがある――ということが、ここに立つとよくわかります。
小栗とヴェルニーの胸像、そして権田村の石
公園の中ほど、生け垣を背にヴェルニーと小栗上野介の胸像が並んで立っています。フランスから招かれ、製鉄所の建設を指揮した技師と、それを幕府の中で押し進めた勘定奉行。二人がいなければ、この港の姿はまったく違っていたはずです。
そして、この日いちばん衝撃を受けたのが、小栗の胸像の足もとの植え込みに置かれた石でした。説明板によると、これは小栗が斬首された上野国権田村(いまの群馬県高崎市倉渕町)の烏川・水沼河原の石。昭和27年(1952年)にこの公園で開港祭と胸像の除幕式が行われたのをきっかけに、翌年、当時の倉渕村から贈られたものだそうです。
小栗は慶応4年(1868年)、領地の権田村に引きこもっていたところを新政府軍に捕らえられ、取り調べらしい取り調べもないまま水沼河原で斬られました。その河原の石が、小栗が未来を託した横須賀の港を向いて置かれている。石を前にして、しばらく動けませんでした。
小栗を斬る必要は、なかったのだと思う。
横須賀の造船所は、幕府が倒れたあとも明治政府に引き継がれ、日本の近代化を支え続けました。小栗が思い描いた「近代日本」は、結局、彼を斬った側が受け継いで形にしたことになります。胸像と石を見比べながら、そんなことを考えていました。
逸見波止場衛門と、戦艦「陸奥」の主砲
胸像から少し西へ歩くと、八角形のドーム屋根をのせた小さな建物があります。旧横須賀軍港の衛兵詰所だった逸見波止場衛門で、昭和初めの建物です。その先には、横須賀海軍工廠で建造された戦艦「陸奥」の主砲が横たわっています。小栗の製鉄所から始まった港が、半世紀あまりで戦艦を造るまでになった――その距離を一度に見渡せる場所です。
ヴェルニー記念館 ― スチームハンマーと小栗の写真
公園の西の端、JR横須賀駅のすぐそばにあるのがヴェルニー記念館です。フランス・ブルターニュ地方の民家をイメージした石造り風の建物で、入館は無料。中央には製鉄所で実際に使われたスチームハンマー(国の重要文化財)がどんと置かれています。1865年にオランダ経由で輸入された機械で、船や機械の部品を鍛えるのに使われました。
壁には小栗の写真と、小栗・ヴェルニーの二人を紹介するパネル、製鉄所の古い図面も並んでいます。ここで「横須賀造船所をつくって、近代日本を目指したのか」と、あらためて腑に落ちました。記念館はコンパクトなので、30分ほどで見られます。
ティボディエ邸、ヴェルニー記念館、ヴェルニー公園では、それぞれパンフレットがもらえました。建物の歴史や公園の地図がのっていて、帰ってから写真を見返すときにも役に立ちます。見学の最初に手に取っておくと、回る順番も決めやすくなります。

パンフレットに書かれていた時間や休みの日を、表にまとめておきます(2026年9月にもらったものです)。
| 場所 | 時間 | 休み | 料金 |
|---|---|---|---|
| ヴェルニー公園 | 24時間 | なし | 無料 |
| ティボディエ邸 | 9:00〜17:00 | 年中無休 | 無料 |
| ヴェルニー記念館 | 9:00〜16:00 | 1月1日・2日、ほかに不定休 | 無料 |
| ヴェルニー公園の駐車場 | 24時間 | — | 1時間420円、その後30分ごとに210円(第1駐車場 普通車10台、第2駐車場 普通車4台) |
ヴェルニー記念館では、土日祝日に「よこすかシティガイド協会」のガイドさんが館内を無料で5〜10分ほど案内してくれます。ヴェルニー公園をガイドと歩く有料のツアー(1人500円・約1時間)もあり、参加すると記念艦「三笠」の観覧料が100円引きになります。ツアーの受付は9:00〜15:00(パンフレットより)。日程は時期によって変わるので、横須賀市観光協会のサイトで確かめてください。
- ティボディエ邸:横須賀市汐入町1丁目1(ヴェルニー公園内)/046-827-7003
- ヴェルニー記念館:横須賀市東逸見町1-1/046-824-1800
- ヴェルニー公園:横須賀市汐入町1-1/046-845-6660
YOKOSUKA軍港めぐり
船から見る「小栗の港」― ただし少し揺れる
公園の中を歩いて、汐入ターミナルからYOKOSUKA軍港めぐりの14時の便に乗りました。料金はこの日、大人2,200円(税込)。「出航5分前までにお並びください」という案内でしたが、20分ほど前に行くと、もうほとんどの人が並んでいました。座席は早い者勝ちなので、窓際に座りたい人は早めに並ぶのがおすすめです。
約45分のクルーズでは、ガイドの案内を聞きながら、護衛艦や米海軍の艦艇を間近に見ていきます。公園から眺めていた艦艇が、目の前に壁のように迫ってくる迫力は船ならでは。この港の始まりが小栗の製鉄所だと思うと、見え方も変わってきます。
ただ、この日は少し波があって船が揺れ、正直に言うと少し酔いました。酔いやすい人は、酔い止めを飲んでおくと安心です。
東京・駿河台
駿河台の生誕地 ― 看板が一枚だけ
帰りは都内へ戻り、お茶の水の神田駿河台へ寄りました。YWCAのビルがあるこのあたり一帯が、小栗家の屋敷があった場所で、小栗が生まれた地とされています。
ところが、ここが見つからない。ビルの角に、千代田区の「まちの記憶」の案内板が一枚立っているだけなのです。周りの道を行ったり来たりして、ようやく見つけました。日本の近代化に道を開いた人の生まれた場所にしては、あまりにもひっそりしています。行かれる方は、住所(千代田区神田駿河台1-8)を地図アプリに入れて向かってください。
実際に歩いて感じたこと
横須賀の港は、小栗が、たとえ幕府がどうなろうと必ず日本の役に立つと信じてつくらせた場所でした。そのほとりに、彼が斬られた権田村の河原の石が置かれている。小雨の公園でその石を見たときの衝撃は、帰りの車の中でもずっと残っていました。
その一方で、生まれた駿河台には案内板が一枚あるだけ。横須賀では胸像と記念館で讃えられ、生まれた東京ではほとんど知られていない。この落差も、「逆賊」とされた小栗の立場をそのまま映しているように感じました。大河ドラマで光が当たれば、この場所も少しは変わるのかもしれません。
今回は行けなかった場所もあります。小栗にゆかりのある築地の海軍ゆかりの地と、雑司ヶ谷霊園の小栗の墓です。こちらは別の日にあらためて訪ねて、この記録に書き足すつもりです。
そしてもうひとつ。今度は泊まりがけで、群馬の権田村(倉渕)へ行くつもりです。小栗が暮らした屋敷の跡、斬られた水沼河原、養子の又一が斬られた場所、そして小栗が眠る東善寺。横須賀で見たあの石のふるさとを、自分の足で歩いてみたいと思います。
・ヴェルニー公園の施設はどこも無料。この日お金がかかったのは、軍港めぐり(大人2,200円)と駐車場だけでした。公園隣接のコインパーキングは4〜5台分と少ないので、早めの時間に着くと安心です。トイレは公園内に2か所ほどあります。
・ヴェルニー公園は横に長く、胸像から記念館まで歩くと意外に距離があります。雨の日は蒸すので、タオルと飲み物を。
・軍港めぐりは出航の20分前には列ができます。座席にこだわるなら早めに。揺れることがあるので、酔いやすい人は酔い止めを。
・駿河台の生誕地は案内板1枚だけ。住所で検索して向かうのが確実です。車なら、近くの道路脇のパーキングメーター(1時間300円ほど)が便利でした。
・料金・時間は2026年9月時点。最新は公式サイトで確認してください:YOKOSUKA軍港めぐり/ヴェルニー公園/小栗上野介屋敷跡(Visit Chiyoda)
この旅の道のり
- 横須賀・ヴェルニー公園
- 12:55ヴェルニー公園公園東側の碑群から徒歩すぐ
- 13:00ティボディエ邸徒歩約5分
- 13:08小栗・ヴェルニーの胸像と権田村の記念石徒歩すぐ
- 13:10逸見波止場衛門・陸奥の主砲徒歩すぐ
- 13:13ヴェルニー記念館徒歩約10分
- YOKOSUKA軍港めぐり
- 14:00軍港めぐり(約45分)車で約1時間
- 東京・神田駿河台
- 16:40小栗上野介生誕の地
※時刻は当日の写真の撮影時刻をもとにしています。
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小栗上野介ゆかりの地について
東京・横須賀・埼玉・群馬に残るゆかりの地は小栗上野介ゆかりの地 ― 東京・横須賀・埼玉・群馬をたどるにまとめています。終焉の地・倉渕を回るなら倉渕・東善寺の歴史旅モデルコース(都内発・車1泊2日)へ。2027年の大河ドラマ『逆賊の幕臣』の主人公です。


























