群馬県太田市の金山城跡(かなやまじょうあと)は、太田の町の北にそびえる金山(標高約239m)の山の上にある戦国時代の山城です。新田金山城とも呼ばれます。上杉、武田、北条といった大名に何度も攻められながら、力攻めでは一度も落ちなかったことから「不落の名城」と呼ばれてきました。山城なのに、いまも見事な石垣と、石で丸く縁取られた池が残っています。
じつは、かなり上のほうまで車で行けるので、山城としては気軽に歩けます。わたしは2023年7月に妻と二人で訪れました。妻もいっしょに歩いた、数少ない山城です。この記事は、これから金山城跡へ行く方のための現地ガイドです。歩いて感じたことを、そのまま書きます。

金山城跡の基本情報
| 訪れた日 | 2023年7月 |
|---|---|
| 所在地 | 群馬県太田市金山町(金山の山頂一帯) |
| 残っているもの | 大手虎口の石垣、日ノ池・月ノ池(石で縁取られた池)、堀切、曲輪の跡。本丸(実城)には新田神社が建つ |
| 見学 | 無料。城跡は山の上の遊歩道を歩いて見学する |
| 車 | 山の上のほう、城の遺構の少し下まで車で上がれる。太田市の案内では西城の「金山モータープール」。停められる台数はそれほど多くなかった印象 |
| 駐車場から | 城跡(石垣や池のあたり)まで歩いて5〜10分。太田市の案内図では、駐車場から大手虎口まで約15分、新田神社(実城)まで約20分 |
| トイレ | 山の上の駐車場にあった |
| 麓の施設 | 史跡金山城跡ガイダンス施設(入館無料、9時〜17時、月曜休館〔祝日の場合は翌日〕、年末年始休館)。ここから城跡までは歩くと急坂のハイキング道になる |
行く前に知っておきたいこと
山の上まで車で行ける。歩くのは少しだけ
金山城跡は山城ですが、かなり上のほうまで車で上がれます。わたしたちは城の遺構の少し下にある駐車場に停め、そこから城跡まで歩いて5〜10分ほどでした。台数はそれほど多くなかったように思うので、休日は少し早めに着くと安心です。
麓には史跡金山城跡ガイダンス施設がありますが、ここから城跡まで歩くとなると急な山道になります。山の上まで車で行けることを知らずに麓から登って、あとで車道があることに気づいた、という声もあるので、体力に自信のない方は車で上まで行くのがおすすめです。
妻もいっしょに歩けた山城
わが家の旅では、30分以上歩いて登る山城は、妻はたいてい車で待っています。でも金山城は、駐車場から少し歩くだけなので、妻もいっしょに歩きました。このころはまだ妻が腰を痛める前だったこともありますが、上まで車で行けて、歩くのは短い時間、というのは同行者がいるときにはありがたいところです。
夏の晴れた日は暑さに注意。日陰で休める場所がほとんどない
わたしたちが行った7月のこの日は、あいにくというか幸いというか、それほど暑くなく、ほどよく歩けました。ただ、もし本当の猛暑の日だったら、かなり大変だったと思います。城跡のあたりには、日陰で休めるような場所がほとんどないからです。夏に行く方は、帽子と飲み物を必ず持っていってください。
大手虎口の石垣
いちばん「おっ」と思ったのは、大手(城の正面の入り口)にあたる両側の石垣です。石垣に挟まれた狭い通路を進んでいくと、両側から石が迫ってきます。攻める側からすれば、ここを通るときに上から狙われるわけで、まさに山城の守りの形そのものです。関東の山城は土の城が多いなかで、これだけの石垣が残っているのは珍しく、見事でした。



日ノ池・月ノ池 ― 山の上の、神秘的な水だめ
もうひとつ心に残ったのが、城の中にある水だめです。石垣で丸く縁取られた大きな池が、山の上にいまも水をたたえています。なんだか神秘的で、わたしは少し『天空の城ラピュタ』を連想しました。山の上の、石に囲まれた静かな水。戦国時代の城の中で、ここは兵たちの命をつなぐ場所だったのでしょう。
雰囲気も趣もあって、わたしは感無量でした。この旅では群馬・長野・山梨の城をいくつも回りましたが、いちばんよかった場所を一つ挙げるなら、この金山城の石垣と池です。

山頂からの眺め
城跡からは、太田の市街から関東平野までが見渡せます。関東平野のほぼ真ん中で、まわりを見張れるこの場所だからこそ、多くの大名がこの城をほしがり、そして簡単には落とせなかったのだと感じました。

金山城のこと(少しだけ歴史)
金山城は、文明元年(1469年)に新田一族の岩松家純が築いたのが始まりとされます。その後、実権は家臣の横瀬氏(のちの由良氏)に移り、由良成繁・国繁の時代に最も栄えました。上杉謙信、武田勝頼、北条氏などに攻められても持ちこたえましたが、天正12年(1584年)に北条氏の手に渡り、天正18年(1590年)、豊臣秀吉の小田原攻めで北条氏が滅びると廃城になりました。昭和9年(1934年)、群馬県で初めて国の史跡に指定されています。日本100名城のひとつです。



よくある質問
Q.金山城跡は車で上まで行けますか?
A.行けます。城の遺構の少し下に駐車場があり、そこから城跡まで歩いて5〜10分ほどでした。台数はそれほど多くなかった印象です。
Q.見学にどのくらいかかりますか?
A.大手虎口の石垣、日ノ池・月ノ池、本丸(新田神社)まで歩いて、写真を撮りながらなら1時間ほど見ておけば安心です。太田市の案内図では、駐車場から新田神社まで約20分とされています。
Q.山城ですが、歩くのは大変ですか?
A.車で上まで行けば、歩くのは短い時間です。わが家では、いつもは山城を車で待っている妻もいっしょに歩きました。ただし夏の晴れた日は、日陰で休める場所がほとんどないので暑さ対策をしてください。
Q.トイレはありますか?
A.山の上の駐車場にありました。麓のガイダンス施設にもあります。
Q.日本100名城のスタンプはどこにありますか?
A.麓の史跡金山城跡ガイダンス施設に置かれています。月曜休館(祝日の場合は翌日)なので、スタンプが目当ての方は曜日に注意してください。
あわせて回るなら
金山城跡は北関東自動車道の太田桐生ICから近く、群馬の城めぐりの1か所目にちょうどよい場所です。わたしたちはここから高崎方面へ向かいました。
| 高崎白衣大観音 | 高崎市の観音山。わたしたちは金山城のあと、車で約1時間で向かった |
|---|---|
| 箕輪城 | 長野業政が武田信玄を退け続けた城。箕輪城と白井城のドライブコース |
| 館林城 | 城主・由良国繁の弟、長尾顕長の城。高崎城・沼田城・館林城と唐沢山城のドライブコース |
※駐車場や道のようすは、わたしたちが訪れた2023年7月のものです。ガイダンス施設の開館時間・休館日は太田市の案内(令和6年発行のパンフレット)によります。お出かけ前に太田市の案内で確かめてください。
