【実録】上杉謙信と真田をたずねて ― 小諸城・真田本城から春日山城・御館跡へ|信州・上越 城跡めぐり1泊2日

目次

この旅の行程

▶ 高田城三重櫓の入館料(一般310円)・駐車場は高田城三重櫓の入館料・駐車場にまとめています。

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※この時刻は標準的な滞在時間から組んだモデル的な目安で、当日の実際の記録ではありません。移動時間も一般的な所要時間です。
時刻 スポット・行程 見どころ・メモ
09:30 小諸城 懐古園
移動:車で約40分  
10:50 矢沢城跡  
移動:車ですぐ  
11:20 仙石氏館跡  
移動:車で約10分  
11:45 真田氏歴史館・御屋敷公園  
移動:車で約5分  
12:05 真田氏本城跡  
移動:車で約1時間  
13:45 川中島古戦場(八幡原史跡公園)と長野市立博物館  
移動:車で約20分  
14:35 善光寺  
宿泊:一泊  
09:00 飯山城  
移動:車で約1時間20分  
10:00 高田城  
移動:車で約20分  
11:05 春日山城 謙信の巨大山城を歩く
移動:徒歩すぐ  
11:25 春日山神社  
移動:車で約5分  
11:45 林泉寺  
移動:車で約5分  
12:05 上越市埋蔵文化財センター 謙信公戦国絵巻館
移動:車で約10分  
12:40 御館跡 御館の乱

これは、ガイドではなく「実際に歩いた記録」です。2026年6月上旬、真田氏ゆかりの信州から、上杉謙信の本拠・越後上越まで、車で1泊2日。史跡(城跡)を柱に、寺社と温泉、郷土のグルメをたどってきました。あいにくの曇り空でしたが、そのぶん新緑と土の匂いが濃く、戦国の舞台をじっくり歩けた二日間でした。

この旅のきっかけ

この旅のきっかけは、小学校の同級生が渋温泉で旅館の女将をしていることでした。せっかくなら顔を見に行こうと考えたのですが、ちょうど旅館をしばらく休むと聞き、すぐ近くの湯田中温泉に泊まることにしました。湯田中は昔よく広告で目にしていた名前で、「都内からバス付きで1泊1万円」といったツアーのチラシが届くたびに、いつか行ってみたいと思っていた温泉地です。そこへ謙信と真田の史跡を組み合わせて、今回の旅ができあがりました。じつは、前に松代城や上田城をめぐった旅のときから、「次は上杉ゆかりの地と川中島へ」と思っていたのです。

旅を組むときに心がけているのは、夫婦それぞれに「ここだけはしっかり見たい」という場所を用意することです。私はお城、妻は寺院や神社が好きなので、この旅では妻のいちばんの目当てを善光寺、私のいちばんの目当てを春日山城にしました。

この旅のルートと日程

訪問:2026年6月上旬/交通:車/宿:湯田中温泉(長野・山ノ内町)

1日目:小諸城 → 矢沢城跡 → 仙石氏館跡 → 真田氏歴史館 → 真田氏本城跡 → 川中島古戦場(+長野市立博物館) → 善光寺 → 湯田中温泉泊
2日目:飯山城 → 高田城 → 直江津で海鮮ランチ → 春日山城 → 春日山神社 → 林泉寺 → 上越市埋蔵文化財センター(謙信公戦国絵巻館) → 御館跡

【1日目】小諸城から真田の里、川中島、そして善光寺へ

小諸城(懐古園)

朝いちばんに訪れたのは、城下町より低い場所に城郭がある全国でも珍しい「穴城」・小諸城。三之門と大手門はどちらも堂々たる現存建築で、朝の光の中では人も少なく、野面積みの石垣の迫力を独り占めできました。

着いてまず驚いたのは、園内に動物園(小諸市動物園)があることでした。そして城好きとしていちばん面白かったのは、やはり城が城下町よりも低い場所にあることです。ふつう城は町を見下ろす高い所に建てるものですが、小諸城は町から下っていった先にあります。町からの高さの違いを意識して歩いてみてください。

矢沢城跡

真田幸隆の弟・矢沢頼綱の居城跡。真田一族の結束を支えた重臣の城で、今は静かな高台。標柱と案内板が要所を教えてくれます。

仙石氏館跡

矢沢城跡のあと、すぐに立ち寄ったのが仙石氏館跡です。江戸時代に上田藩主をつとめた仙石氏ゆかりの地で、坂道の脇に白壁の櫓と石垣が残っています。

実はこの館跡は、予定していた場所ではありません。矢沢城跡から次へ向かう途中、車で偶然通りかかって見つけました。こうした思いがけない出会いも、車旅の楽しみです。

真田氏歴史館・御屋敷公園

真田の郷にある歴史館へ。真田氏三代(幸隆・昌幸・信之/幸村)の歩みを、ゆかりの品や資料でたどれます。屋外の御屋敷公園も気持ちよく、ここで真田の全体像を頭に入れてから本城跡へ向かうのがおすすめです。

真田氏館跡の御屋敷公園は木々に囲まれた静かな場所で、妻と「熊は大丈夫かな」と話しながら見学しました。矢沢城跡や真田氏本城跡など、山あいの史跡もカーナビどおりで迷わずに着けました。

真田氏本城跡

真田氏発祥の地に築かれた山城で、真田の”本城”と伝わります。尾根上の本郭跡に立つと真田の里が一望でき、ここを拠点に一族が勢力を広げたことが実感できました。城好きにはたまらない眺めです。

川中島古戦場(八幡原史跡公園)と長野市立博物館

善光寺の前に、武田信玄と上杉謙信が五度にわたり激突した川中島の古戦場へ。有名な”一騎打ち”の像は、想像以上に躍動的でした。ほぼ敷地内にある長野市立博物館にも立ち寄り、合戦の背景を予習。今回の旅の「信玄 対 謙信」というテーマがここでぐっと立ち上がります。

八幡原では、園内をふらっと歩いていたらガイドさんが声をかけてくれました(予約はしていません)。内心「たぶん自分のほうが詳しいかな」と思いながらも、失礼のないようにしっかり話を聞きました。それでも途中で「たしか初鹿野伝右衛門もここで討ち死にしたんですよね」と聞いたり、ガイドさんより先に「信玄の弟の信繁は典厩寺に眠っているんですよね」と言ったりすると、とても驚かれました。

第四次川中島の戦いでは、武田方の信繁や山本勘助、初鹿野伝右衛門といった武将が亡くなっています。信繁の墓がある典厩寺は八幡原から車ですぐなので、時間があればあわせて寄ってみてください。

川中島古戦場、信玄と謙信の一騎打ち像
川中島古戦場、信玄と謙信の一騎打ち像

善光寺

1日目の締めくくりは善光寺。川中島合戦のさなか、御本尊が一時この地を離れて各地を転々とした歴史もある名刹です。堂々たる山門をくぐり、常香炉の煙を浴びて一日の無事に感謝。夕方でも参拝者でにぎわっていました。

寺社が好きな妻にとって、善光寺はこの旅いちばんの目当てでした。

▼ 宿泊:湯田中温泉
この日は湯田中温泉に泊まりました。同級生が女将をしている渋温泉の旅館はお休み中でしたが、渋温泉にも足を運び、久しぶりの再会に話が弾みました。石畳に外湯が並ぶ渋温泉ですが、話に花が咲いて、湯めぐりはしないままになりました。それもまた良い思い出です。

【2日目】飯山城から上越へ ― 高田城と、謙信の春日山城

飯山城

2日目は上杉方の北の要・飯山城から。ちょうど「築城450年」の整備が進んでいて、土塁や空堀の道を気持ちよく歩けました。武田の北信濃侵攻に対し、謙信が前線として重視した城です。

高田城

越後を南下して上越・高田へ。徳川家康の六男・松平忠輝の居城として築かれた高田城は、天守を持たず土塁と堀を主体とした平城。蓮池に架かる極楽橋と三重櫓が水面に映え、江戸期の絵図と見比べながら歩くと縄張りの広さがよく分かります。

昼食:直江津まで足を延ばして海鮮ランチ。日本海の幸で午後に備えます。

春日山城 ― 謙信の巨大山城を歩く

この旅の本命、上杉謙信の居城・春日山城。標柱の前に立つだけで気が引き締まります。ここは天守のある城ではなく、山全体を要塞化した”大城郭”。本丸・二の丸・三の丸から、毘沙門堂跡、そして直江・甘粕・景勝・景虎(謙信の養子で、のちに御館の乱を争う二人)といった重臣・一族の屋敷跡までが、尾根づたいに延々と続きます。案内図を見ると曲輪の多さに圧倒されました。1枚の写真では伝わらないので、歩いて出会った標柱をギャラリーでまとめます。

当日は小雨がぱらつき、傘をさすかどうか迷うくらいの天気でした。少し心配しながら登り始めましたが、ずっと来たかった春日山なのでテンションが上がり、坂道もまったく苦になりませんでした。直江兼続や甘粕景持など、謙信を支えた武将たちの屋敷跡をひとつずつ見て回るのが楽しかったです。

史跡・春日山城阯の標柱前にて
史跡・春日山城阯の標柱前にて

春日山神社

山腹に鎮まる春日山神社は、謙信公を祀る社。凛々しい謙信像を見上げて手を合わせました。

寺社好きの妻は、この春日山神社をじっくりお参りしていました。思いがけず御朱印もいただけて、妻にとってもうれしい立ち寄り先になりました。

春日山神社の謙信公像
春日山神社の謙信公像

林泉寺

春日山のふもとにある林泉寺は、謙信が幼少期に学び、生涯の精神的な支柱を得た曹洞宗の名刹。上杉家の菩提寺で、謙信の墓所も伝わります。堂々たる惣門・山門が迎えてくれました。

謙信の墓所にもお参りしました。妻は謙信のことにそれほど詳しくないので、ここは「ふつう」という様子でしたが、私は境内の苔や古びた趣にすっかりひたっていました。境内には謙信のほかにもゆかりの人々が眠っていて、歴史好きには見ごたえのあるお寺です。

上越市埋蔵文化財センター(謙信公戦国絵巻館)

春日山城のふもとにある資料館。発掘成果や戦国期の展示で、春日山城と上杉氏の実像をより深く知ることができます。城歩きの前後に立ち寄ると理解がぐっと深まります。

上杉謙信公の騎馬像(謙信公戦国絵巻館の前に立つ)
上杉謙信公の騎馬像(謙信公戦国絵巻館の前に立つ)

御館跡(御館の乱)

旅の最後は御館跡へ。謙信の急死後、養子の景勝と景虎が家督を争った「御館の乱」の舞台です。今は市街地の一角に史跡の標柱が静かに立つのみですが、春日山で見た二人の屋敷跡を思い返すと、この地で起きた骨肉の争いが胸に迫ります。

正直に言うと、御館跡は欲張って旅の最後の最後にねじ込んだ場所です。公園に石碑や案内板が少しあるくらいですが、それでも「ここが落ちたことで、あの上杉憲政も景虎も命を落としたのか」と、しみじみ思いました(憲政は春日山へ向かう途中で討たれ、景虎は逃れた先の鮫ヶ尾城で自害しています)。

歴史好きとしては、景虎の実家である北条の兄弟がもっと早く越後へ援軍を送っていたら、勝っていたのは景虎だったかもしれない……と、つい考えてしまいます。春日山で景勝と景虎の屋敷跡を見たあとに訪れると、そんな「もしも」がいっそう胸に迫ります。

実際に歩いて分かったこと・ひとことメモ

とにかく盛りだくさんの二日間で、正直かなり歩いて疲れました。それでも、少しの時間の無駄もなく名所を回りきれたので、満足感でいっぱいです。ポイントを残しておきます。

・移動は車が正解。信州の真田エリアと上越は公共交通だと乗り継ぎが大変で、山城も点在するため車が圧倒的にラク。
・山城は歩きやすい靴で。春日山城・真田本城・矢沢城など、土の道や坂が多いのでスニーカー必須。曇り〜小雨だったので足元が滑りやすい場面も。
・春日山城は時間に余裕を。曲輪が広く、標柱を追って歩くだけでもかなりの時間。埋蔵文化財センターで予習してから登ると味わいが増します。
・泊まるなら湯田中・渋温泉。善光寺のあと北へ向かえば、翌朝の飯山城にも回りやすい場所です。渋温泉は石畳に外湯が並ぶ温泉街なので、時間があれば湯めぐりもどうぞ(私たちは同級生との話に夢中で、湯めぐりはできませんでした)。
・夫婦で回るなら、それぞれの目当てを。お城好きの私には春日山城、寺社好きの妻には善光寺と春日山神社。それぞれが「ここだけは」という場所を決めておくと、二人とも楽しめる旅になります。
・真田の郷では熊にも注意。山あいの史跡が多いので、気になる人は熊よけの鈴を。

この旅の道のり

  1. 09:30小諸城懐古園車で約40分
  2. 10:50矢沢城跡車で約10分
  3. 11:45真田氏歴史館・御屋敷公園車で約5分
  4. 12:05真田氏本城跡車で約1時間
  5. 13:45川中島古戦場(八幡原史跡公園)と長野市立博物館車で約20分
  6. 14:35善光寺一泊
  7. 09:00飯山城車で約1時間20分
  8. 10:00高田城車で約20分
  9. 11:05春日山城謙信の巨大山城を歩く徒歩すぐ
  10. 11:25春日山神社車で約5分
  11. 11:45林泉寺車で約5分
  12. 12:05上越市埋蔵文化財センター謙信公戦国絵巻館車で約10分
  13. 12:40御館跡御館の乱

※この時刻は標準的な滞在時間から組んだモデル的な目安で、当日の実際の記録ではありません。移動時間も一般的な所要時間です。

文・写真:佐藤秀信(すべて現地で撮影)

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