1. 甲府・武田の里 ― このコースの背景
甲府は、戦国最強とうたわれた武田信玄の本拠地です。信玄・信虎・勝頼の三代は躑躅ヶ崎館を府中とし、甲斐を統べて信濃・駿河へと勢力を広げました。武田氏滅亡後には石垣造りの甲府城が築かれ、近世甲斐の中心となります。郊外の恵林寺は信玄の菩提寺で、渓谷美の昇仙峡や甲州ワインの里も広がります。
新宿からJR中央本線の特急で約1時間30分。1日目は武田神社(躑躅ヶ崎館跡)と甲府城をめぐって石和温泉に泊まり、2日目は信玄の菩提寺・恵林寺と特別名勝・昇仙峡へ。武田信玄ゆかりの史跡と甲斐の自然、ほうとうやワインを味わう、電車で行く甲州1泊2日です。
2. 武田神社・甲府城・甲斐善光寺をめぐる電車1泊2日コース
【1日目】武田神社(躑躅ヶ崎館)と甲府城
| 時刻 | スポット・行程 | 見どころ・メモ |
|---|---|---|
| 08:30 | 出発:新宿 → JR中央本線 特急かいじ・あずさで「甲府」駅(約1時間30分) | 特急は指定席が快適。駅から武田神社へバス。 |
| 09:50 | 武田神社(躑躅ヶ崎館跡)![]() |
見どころ:武田信玄を祀り、境内は信虎・信玄・勝頼三代の本拠「躑躅ヶ崎館」跡。堀と土塁が残ります 最寄り:甲府駅北口からバス約8分 ★境内の拝観は自由(各受付 8:30〜17:00) ★宝物殿:大人500円・小中学生250円/9:30〜16:00 ★★宝物殿は毎週水曜が休館です(甲府市観光協会) |
| 10:55 | 移動:武田神社 → 甲府城(舞鶴城公園)へ(バス・徒歩) | |
| 11:20 | 甲府城(舞鶴城公園)![]() |
見どころ:武田氏滅亡後に築かれた石垣造りの近世城郭。天守台と石垣、復元された稲荷櫓・鉄門 最寄り:甲府駅南口からすぐ(電車の旅で、これほど駅に近い城跡はめずらしい) ★入場は無料。公園は常時開放 ★稲荷櫓と鉄門は9:00〜16:30(入館は16:00まで) ★★稲荷櫓・鉄門の休館:月曜(祝日は開館)、祝日の翌日、12月29日〜1月3日(公園そのものは休みなく歩けます) |
| 12:15 | ランチ:甲府駅周辺(約60分) | グルメ:ほうとう、鳥もつ煮、甲州ワイン。 |
| 13:30 | 移動:甲府 → 石和温泉へ(JR中央本線で約10分) | |
| 14:00 | 甲斐善光寺 | 見どころ:武田信玄が信濃善光寺の本尊を移して創建した名刹。壮大な金堂と、床下をめぐる「お戒壇めぐり」 最寄り:JR身延線「善光寺」駅から徒歩約7分 ★金堂・宝物殿の拝観:大人500円・小学生250円(30名以上は2割引)/拝観 9:00〜16:30 ★駐車場は無料(普通車30台)ですが、電車ならこの心配は要りません |
3. 曜日で、見られるものが変わります
| 施設 | 休み | 料金 |
|---|---|---|
| 武田神社 宝物殿 | 毎週水曜 | 大人500円/9:30〜16:00 |
| 甲府城 稲荷櫓・鉄門 | 月曜(祝日は開館)・祝日の翌日 | 無料/9:00〜16:30(入館16:00まで) |
| 甲斐善光寺(金堂・宝物殿) | ― | 大人500円・小学生250円/9:00〜16:30 |
| 恵林寺 | 年中無休 | 大人500円/8:30〜16:30 |
| 信玄公宝物館(恵林寺) | 12〜3月の木曜 | 大人500円 |
| 昇仙峡 | ― | 散策は無料 |
武田神社の境内と甲府城の公園そのものは、いつでも無料で歩けます。閉まるのは宝物殿と櫓の中だけ。躑躅ヶ崎館の堀も、甲府城の天守台も、休館日は関係ありません。
甲府城は、電車の旅にとって恵まれた城です。甲府駅南口からすぐ。しかも入場無料。荷物をコインロッカーに入れて、ふらりと石垣を登れます。
4. 昇仙峡は「どこまで行くバスか」で決まります
2日目の要注意ポイントです。昇仙峡へのバスは、終点によって所要時間も運賃も変わります。
| 甲府駅から | 所要 | 大人・片道 |
|---|---|---|
| 昇仙峡入口・天神森 | 約30分 | 710円 |
| グリーンライン昇仙峡 | 約40分 | 1,000円 |
| 昇仙峡滝上 | 約1時間 | 1,090円 |
そして冬の制限があります。12月1日から3月31日までは、一部の便が「昇仙峡入口・天神森」止まりになります(山梨交通)。冬に仙娥滝を目指すなら、滝上まで行く便があるかどうかを必ず確認してください。
逆に、10月第3土曜から11月30日の土日祝には快速便が走ります。紅葉の時期は、ここが有利に働きます。
5. 2日目の行程は、正直に言うと厳しめです
工程表では、9時に石和温泉を出て9時40分に恵林寺、10時40分に出発して11時40分に昇仙峡、となっています。
この2つの移動は、どちらもバスの本数に左右されます。
- 恵林寺は塩山駅からバス。本数が限られます
- 恵林寺から昇仙峡へは、いったん甲府へ戻る必要があります。塩山 → 甲府(JR)→ 昇仙峡(バス約1時間)。1時間で着くのは、乗り継ぎが完璧にかみ合った場合だけです
現実的な組み替えを2つ。
- 2日目を昇仙峡だけにする。石和温泉から甲府へ出て、朝いちばんのバスで滝上へ。渓谷をゆっくり歩いて、午後に甲府へ戻る。無理がありません
- 恵林寺を1日目に回す。甲府城のあと塩山へ向かい、恵林寺を見てから石和温泉へ入る組み立てです
信玄の墓の前に立つことがこの旅の目的なら、恵林寺に確実に行ける組み方を選んでください。
6. 荷物と、歩く距離
甲府駅にはコインロッカーがあります。1日目は荷物を預けて、武田神社と甲府城を身軽に歩いてください。武田神社は駅からバスで8分、甲府城は駅の目の前です。
昇仙峡は「歩く」場所です。渓谷沿いの遊歩道を80分。スニーカーは最低限必要です。雨のあとは石が滑ります。
トイレ。甲府駅、武田神社、舞鶴城公園、甲斐善光寺、恵林寺、昇仙峡の観光施設が基点になります。
7. 概算費用(大人2名・電車+バス・1泊2日)
| 項目 | 目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 特急(往復・2名) | 約16,000〜20,000円 | 新宿〜甲府「かいじ」「あずさ」 |
| 路線バス・JR(2名・2日分) | 約6,000〜9,000円 | 武田神社、塩山〜恵林寺、昇仙峡は往復2,180円/人 |
| 拝観料(2名) | 約4,000円 | 武田神社宝物殿500+甲斐善光寺500+恵林寺500+信玄公宝物館500 の2名分 |
| 宿泊(石和温泉/1泊2食) | 2名で22,000〜50,000円 | ここが最大の変動要因です |
| 昼食2回・おみやげ | 2名で8,000〜16,000円 | ほうとう、鳥もつ煮、甲州ワイン |
| 合計 | 2名で約56,000〜99,000円 | 甲府城が無料なのが救いです |
・武田神社(甲府観光ナビ)/舞鶴城公園(甲府城跡)/甲斐善光寺
・拝観案内/アクセス(乾徳山 恵林寺)/昇仙峡(山梨交通)
▼ 宿泊:石和温泉(宿名候補:華やぎの章 慶山/銘石の宿 かげつ/富士野屋 夕亭)。甲府盆地の湯宿。空室・料金は予約サイトで最新をご確認ください。
【2日目】武田家の菩提寺・恵林寺と昇仙峡
| 時刻 | スポット・行程 | 見どころ・メモ |
|---|---|---|
| 09:00 | 出発:石和温泉 → 恵林寺へ(JR・バス) | |
| 09:40 | 恵林寺![]() |
見どころ:武田信玄の菩提寺。信玄の墓、夢窓疎石の作と伝わる名庭、快川紹喜和尚の「心頭滅却すれば火も自ずから涼し」の伝承 最寄り:JR中央本線「塩山」駅からバス ★拝観料:大人500円・小中高校生300円/信玄公宝物館は別途500円(高校生400円・小中学生100円) 拝観:8:30〜16:30/年中無休/★宝物館は12月〜3月の毎週木曜が閉館 ★★塩山駅からのバスは本数が限られます。往復の時刻を先に確認してください |
| 10:40 | 移動:甲府方面へ戻り、バスで昇仙峡へ | |
| 11:40 | 昇仙峡![]() |
見どころ:国の特別名勝。花崗岩の断崖「覚円峰」、仙娥滝、清流沿いの遊歩道 ★渓谷の散策は無料 ★甲府駅からのバス(山梨交通):昇仙峡入口・天神森まで約30分・710円/グリーンライン昇仙峡まで約40分・1,000円/昇仙峡滝上まで約1時間・1,090円 ★★12月1日〜3月31日は、一部の便が昇仙峡入口・天神森止まりになります(山梨交通)。冬に仙娥滝を目指すなら、滝上まで行く便があるか必ず確認してください ※10月第3土曜〜11月30日の土日祝には快速便が走ります |
| 13:10 | ランチ:昇仙峡・甲府(約60分) | グルメ:ほうとう、そば、ワインと甲州料理。 |
| 14:30 | 帰路:甲府駅 → 特急で新宿方面へ(約1時間30分) |
8. 甲府・昇仙峡の歩き方 ― 宿とグルメ
きっぷ:特急かいじ・あずさが速い。市内・近郊は路線バスを活用。
グルメ:ほうとう、鳥もつ煮、甲州ワイン、勝沼のぶどう(秋)。
宿:石和温泉は甲府から近く便利。勝沼のワイナリー巡りを足すのもおすすめ。
ヒント:恵林寺・昇仙峡はバス便が限られるので時刻を事前確認。武田神社と甲府城は駅を挟んで南北にあり、バスで効率よく。秋はワイン&ぶどうの季節。
この旅の道のり
- 09:50武田神社参拝約50分徒歩
- 11:20甲府城見学約50分電車で約10分
- 14:00甲斐善光寺参拝約30分
- 09:40恵林寺武田家の菩提寺・参拝約40分電車で移動
- 11:40昇仙峡渓谷散策約80分昇仙峡・甲府
※モデルコースとしての目安です。時刻・所要時間は交通状況や混み具合で変わります。
現地で撮影した写真と、説明板から起こした記録はこちらです。





