なぜ小栗上野介に惹かれるのか|白虎隊のドラマから始まったわたしの幕末史と、この秋の倉渕の旅

この秋、妻と1泊で群馬県高崎市の倉渕町(くらぶちまち)へ出かけます。むかしの権田村(ごんだむら)で、小栗上野介(おぐり こうずけのすけ、小栗忠順)が最後に暮らし、命を落とした土地です。

2027年1月からは、小栗を主人公にしたNHK大河ドラマ『逆賊の幕臣』(主演・松坂桃李さん)が始まります。ドラマで小栗の名前が広く知られる前に、わたしがなぜ以前から小栗に惹かれてきたのかを書いておこうと思いました。旅から帰ったら、実録で報告します。

ヴェルニー公園の小栗上野介忠順の胸像
横須賀・ヴェルニー公園に立つ小栗上野介の胸像
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幕末史の入口は、白虎隊のドラマでした

わたしの幕末史は、年末の時代劇ドラマ「白虎隊」から始まりました。見たのは小学校の高学年のころです。そのあと同じ年末のドラマで「五稜郭」「奇兵隊」と続きました。どれも気に入って、中学、高校になってからもレンタルビデオで何回も借りて見ています。

白虎隊と五稜郭で幕府側から入り、奇兵隊で新政府側の見方も知ることができました。同じ時代を、両方の側から見られたのはよかったと思っています。

白虎隊でいちばん心に残っているのは、やはり飯盛山での集団自決の場面です。しかも、城下に上がる煙を見て、鶴ヶ城が落ちたと見間違えたことから起きた悲劇でした。

3本のなかでいちばん好きなのも、白虎隊ですね。音楽もよいし、泣けるし。あんなに若いのに、義に殉じて。

司馬遼太郎から読み始めて、小栗はなかなか出てこなかった

ドラマのあとは、本を大量に読みあさりました。司馬遼太郎の作品から順に制覇していったので、大村益次郎や江藤新平にはわりと早く出会っています。ところが小栗上野介は、なかなか出てきませんでした。

小栗を初めて詳しく知ったのは、子母沢寛の『勝海舟』です。そのあと、小栗だけを書いた本を読んでみたくなって、星亮一さんの『最後の幕臣 小栗上野介』を買いました。読んでみると、すごく有能な人で、しかも「戦う派」だったんですね。ちゃんと本で読んだのは、けっこう遅いほうだったと思います。

ヴェルニー記念館の小栗上野介の写真展示
ヴェルニー記念館で開かれていた小栗上野介の写真展

箱根で迎え撃ち、艦隊で挟み撃ちにする

鳥羽・伏見の戦いのあと、小栗は徹底抗戦を主張しました。新政府軍を箱根で迎え撃ち、幕府の艦隊を駿河湾に回して挟み撃ちにする、という戦略です。この戦略もなかなかだと思いました。まあ、わたしでも思いつくような戦略でしたけど。

わたしなら、さらに海軍で下関や萩まで攻めてもよいと思います。海軍は、このときまでは幕府のほうが上でしたからね。ただ、補給地がないのが問題かなぁ。どうだろう、とつい考えてしまいます。

弱いほうが好きなんです

わたしはもともと、弱いほうが好きです。野球でも何でもそうです。だから幕末も、どうしても幕府側から見てしまいます。

劣勢のなかで、どうしたら形勢を逆転できるのか。そういうことを考えるのが大好きなんです。小栗の主戦論に惹かれるのは、たぶんそのせいだと思います。勝海舟は恭順を選び、小栗は職を解かれて権田村に引きこもりました。そして慶応4年(1868年)閏4月、新政府軍に捕らえられ、取り調べもないまま烏川の水沼河原(みずぬまがわら)で斬首されました。

権田村・水沼河原から贈られた記念石
ヴェルニー公園には、権田村・水沼河原から贈られた記念石が置かれています
記念石の説明板
記念石の説明板

星亮一さんの本を読んで、小栗の見方が変わったところがあります。小栗は、最後まで徹底抗戦を唱えていたわけではないんです。罷免されると、すぐに隠遁して、権田村に引っ込んでしまいました。だから、斬る必要はなかったのです。

もし小栗が斬られずに明治まで生きていたら、財務大臣か外交官ですかねー。

今回の旅で見たいもの、妻の楽しみ

今回いちばん見たいのは、小栗が斬首された水沼河原です。それから、お墓と、菩提寺の東善寺(とうぜんじ)です。ずいぶん前に一度訪ねていますが、本で何度も読んだ場所に、あらためて自分の足で立ってみたいと思っています。

東善寺の小栗上野介忠順墓
東善寺の小栗上野介の墓(ずいぶん前に訪ねたときの写真)
普門院の小栗上野介の首塚
さいたま市・普門院の首塚(同じく、以前に訪ねたときの写真)

妻も一緒に行きます。妻は、今回は大きなお寺などには行かないので、伊香保温泉の石段街を楽しみにしています。わが家の旅は、たいていわたしが行き先を決めて、そのなかに妻が好きそうな寺社仏閣を入れる、というのが基本です。今回はその寺社仏閣がないぶん、妻の楽しみは伊香保温泉、ということになりました。

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